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スマートフォン

 ひさびさの更新です。
 全体的なイメージは思いついていたものの、なかなか流れがつかめず、終わり方に悩み…
 うん。微妙な出来です。
 それでもいいよ~って方、読んでいただけると嬉しいです。

  『スマートフォン』  


 今日は、昨日終わった試験の復習のため、可奈は燈馬に引きずられるようにして燈馬の家に来たのだった。
 外にいたら、可奈は必ずと言っていいほどこの勉強から理由をつけて逃げ出す。
 以前、燈馬にそう思われてから、試験が終わった後は燈馬の家で復習するのが二人のなんとなくの習慣になっていた。

「あれ? 水原さん、携帯電話を買い替えたのですか?」
 変なところで妙に目ざとい燈馬は、可奈の手に握られているいつもと違う携帯電話に気が付いた。
 それは、先日発売されたばかりの某りんご社の最新スマートフォン。
 いつもなら些細な変化に気が付いてくれることがちょっと嬉しかったりもするのだが…今回に限っては先に気付いては欲しくなかった。
「うん、昨日買い替えてきたんだけどね~…」
「?」
 歯切れの悪い言葉が、たぶん珍しかったのだろう。燈馬は頷きながら次の言葉を待っている。

 試験が終わった後にその足で買いに行ったときは、やっと勉強から解放される嬉しさもあって意気揚々と選ぶことが出来た。
 色々な機種が並ぶ中で、りんごのマークが目に入った時、思い浮かべたのは燈馬が慣れた手つきで操作する様子だった。
 別に燈馬を意識したわけではないけれど、使いこなす姿になんとなく格好よさを感じていたのは事実だ。
 そして、燈馬君と同じ携帯電話なら最悪使い方を教えてもらえるだろうという淡い期待もあった。
 が、家に帰っていざ使おうと思うと操作が思う通りにできない。
 説明書を読んだところで理解できるとも思えず…とりあえず適当にアイコンを押しまくって、何とか電話とメールはできるようになったものの…

「背伸びはするもんじゃないわ。いまいち使い方がわからん」
 思わず出たのは溜息と本音。
「…? 背伸び、ですか?」
「いやっ、なんでもないけど!!」
 思わず出た本音に、燈馬は何やら考えるようにしながら可奈に聞き返す。
 可奈がしまった、と思った時にはもう遅かった。

 覆水盆に返らず。

 今更ながらにして、国語の答案が思い浮かぶ。
 いやいや。今はそれどころじゃないから。と自分で自分に突っ込みながら、可奈はどう繕うか理由を考え始める。
「い、いや、ほら。やっぱり私の家ってアナログ一家だしっ!!」
 うん。我ながら良い理由を思いついた。…アナログだと自分で認めるのはちょっと抵抗があるが。
「そうですね」
 燈馬はにっこりと笑いながら、手に持った飲み物をテーブルの上に置く。
 アナログを肯定されたことに可奈は一瞬殴りたい衝動が湧き上がるが、それを何とか抑えこむ。
「あはは」と乾いた笑いを浮かべ、手にした携帯電話をかばんにしまおうとしたとき、その手は燈馬に押さえられた。
「…そういえば、これ僕と同じ機種ですね」
 可奈の右手ごと、燈馬は携帯電話を見ながら後ろのりんごマークを確認する。
「そ…そう?」

 これ以上、この話題は危険だ。

 エマージェンシーコールが頭の中に鳴り響く。
 燈馬の眼が、最後の1ピースを探すように可奈の瞳を覗き込む。
「そうですよ、僕のと同じです。使い方、教えてあげてもいいですよ」
 言葉を選ぶように、笑いながら可奈の様子を伺ってくる。
 それと同時に、自由だった左手も燈馬に押さえられ自然と姿勢はソファに座り込んだまま燈馬を見上げる形になってしまった。
「ただし、背伸びの意味を教えてくれたら…ですけど」
 可奈の真っ赤になった顔に最後の1ピースを見つけたのか、燈馬は確信した顔で問いかける。
 その顔はやけに嬉しそうな…笑顔だ。
「嫌なら、別にいいんですけどね?」
 にっこり笑いながらも、燈馬は全然逃がす気のない声音で囁く。
 
―――拒否権なんてないくせに!!

 その言葉を心のどこかで呟きながら、可奈は彼の張り巡らせた罠に今日も抵抗するのだった。

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 ありがとうございました。
 久々に文章を書くせいか、なんだかちょっとぎこちない文章のようにも感じますが…
 リハビリがてらぼちぼち書いていきます。
 駄文を読んでいただいて、ありがとうございます。
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テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

Tag : Q.E.D...証明終了

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